人間の性質や気分などはその体内から分泌されるホルモン物質によって形成される面も大きいものです。
そして、セックスに置いてもそれぞれ男女のホルモン物質の分泌が深く関わってきます。
また、セックステクニックなどの勉強をしていると、横文字の聞き慣れないホルモン物質の名称に出くわすことも多いことでしょう。
というわけで今回は、人間の体内から分泌される、とくにセックスに非常に関連の深いホルモン物質を紹介していこうと思います。
一つのホルモンを深く掘り下げると、とんでもない情報量になってしまいますので、ひとつひとつは軽く紹介させていただきたく思います。
テストステロン
ある意味、男の世界では一番良く耳にするホルモン物質かと思います。
テストステロンとは、代表的な男性ホルモンの一つで、ざっくりと言うと男性が男性らしくあるためのホルモンであり、男性における性欲の全てと言っても過言ではありません。
このテストステロンが多ければ多いほど、性欲が高くなりますし、射精した瞬間に一時的にこのテストステロンの量は激減します。
テストステロンの9割以上は男性の精巣から分泌していると言われ、性欲の他にも筋肉増量のために機能したり、男らしい性格にしたりしたり、またこのテストステロンそのものが男性のフェロモンを出しているという説もあります。
あくまで男性ホルモンではありますが、女性にも少量ながら体内に存在します。
そして女性にとってのテストステロンと性欲の関係は、「性衝動を行動に移すトリガー」の役割を果たしています。
テストステロンについては以下の記事に詳しく書いておりますので、ご参考にしてください。
エストロゲン
代表的な女性ホルモンの一つで、主に女性の体内の卵胞から分泌されることもある、卵胞ホルモンとも言われています。
エストロゲンには、女性が女性らしくさせるための働きがあり、主に思春期から増加し始め、生殖器官の発達、お尻の肉やおっぱいを大きくさせるためのガイノイド脂肪を増加させる働き、それに肌のハリや艶と言った女性の外面的な美しさを大きくさせるための働きを持っています。
早い話が、このエストロゲンの分泌量が多い女性が、多くの男性を惹きつけるモテる女になります。
ちなみに、エストロゲンは「女性の性欲のあり方」を形作っている部分もあります。
男性の性欲のあり方はとにかくたくさんの女と「ヤリたい!出したい!」と言ったような動的な性欲のあり方となり、それこそまさにテストステロンがそうさせているという感じではありますが、女性の場合は「大切にされたい、愛されたい」という静的な性欲のあり方が多いと思います。
これもまた、エストロゲンがそうさせているのです。
ちなみに、男性にもエストロゲンは存在しており、射精後にこのエストロゲンの分泌量が一時的に多くなるそうです。
オキシトシン
脳で作られる神経草食系物質の一つであるオキシトシン。
このホルモンが多く分泌されると人間関係が円滑になり、幸せを感じることがデキるようになることで「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれています。
イライラしなくなったり、ちょっとのことでも幸せを感じたりハッピーな気分にさせてくれるのでしょう。
いいセックスができると、女性が妙に上機嫌になるのもきっとこのホルモン物質が元になっているのかも知れません。
というよりも、このオキシトシンの分泌量がエストロゲンの分泌量に左右されるそうなので、性格のいい女は外面的にも美人であることが多いと言われるのにも、もしかしたら関係しているのかも知れませんね。
オキシトシンは出産や授乳でもその濃度が増え、好きな異性とのスキンシップ、そしてセックスでオーガズムを感じることでもその分泌量が増えるのです。
PEA(フェニルエチルアミン)
フェニルエチルアミン、ぶっちゃけ言いにくい言葉ですが、略して「PEA」と記されることが多いこのホルモン物質。
このホルモンはなんなのかというと、ずばり脳内麻薬の一種で恋愛初期のあのドキドキはすべてこのホルモンのことです。
また、肌や目に潤いや艶を与える効果もあり、恋する女の子の目が妙にキラキラしているのもこのホルモンがたくさん分泌しているからでもあります。
そしてセックスをしているときもこのフェニルエチルアミンを分泌しますが、それ以上にこのフェニルエチルアミンがたくさん出ている状態でセックスをすることで、かなりハイレベルな快感を得ることができます。
これは、どんなテクニシャンよりも好きで好きで仕方ない男性とのセックスのほうが気持ちいいということにも繋がりますよね。
βエンドルフィン
βエンドルフィンとは脳内で作られる神経伝達物質で、これも脳内麻薬の一つでもあります。
脳内で作られ、鎮静・鎮痛作用、そして恍惚感が湧き上がる性質を持っており、モルヒネが摂取されたときと同じ受容体と結びつくことで人に多幸感を与えるため「体内性モルヒネ」、「脳内麻薬」と呼ばれてもいます。
女性がセックスに対して気持ちいいと感じているときに出るのがこのエンドルフィンです。
女性が腟内を触れられて気持ちいいと感じるときもあれば痛いと感じる時があり、痛いと感じるのはこのβエンドルフィンが足りないときで、βエンドルフィンがしっかり出ていることで気持ちいと感じるのです。
生殖器とは言え内臓に変わりはなく、本来であれば内蔵を刺激して気持ちいいと感じるわけがないですからね。
βエンドルフィンが出ているからこそその痛みを気持ちよさへと転換することができ、さらにはもっと強い刺激が欲しくなるというわけです。
ドーパミン
これもβエンドルフィンやPEAと同じく、快楽物質となる脳内麻薬の一つです。
このドーパミンが活性化することで、強い快楽と強い幸福感がもたらせられます。
ドーパミンは男性であっても女性であっても、オーガズムに達したときに大量に脳内で分泌されます。
このときの快楽を知っているから、もう一度あの快楽を味わいたいと、男性も女性もセックスを好きになるのです。
男性の場合は、射精すると賢者タイムになり、一時的にセックスへの関心を薄めてしまうためドーパミンの分泌量は減りますが、男性と違って連続イキする女性のドーパミンはとどまることを知らない場合があります。
軽いオーズズムであっても連続イキが最高に気持ちいいというのは、このドーパミンによる快楽を主に感じている場合もあります。
ちなみに、女性は一度でもオーガズムを体験してしまえば、だんだんと簡単にイクようになるのも、このドーパミンがその快楽を欲して、イクという信号を脳に送るからです。
ーパミンといえば何かしらの「依存症」とも関係の深いもので、ニコチン依存症や下着泥棒常習犯が、タバコを吸ったり下着を盗んだりすることでこのドーパミンが作られる。
ドーパミンとは、その快楽を得るためにワクワクさせるときに出て、そしてその快楽を摂取するときに出るという、まさに脳内麻薬と言うべき天使と悪魔の二面性を持った物質なのです。
プロラクチン
プロラクチン、これはある意味男性にとって敵となるホルモン物質です。
このプロラクチンが出るのは、どのタイミングかと言うと射精したときに大量に分泌され、一気にその性欲を激減させる働きがあります。
そう、賢者タイムとはまさにこのプロラクチンそのものなのです。
先程まで頭がおかしくなるほど溢れていた性欲が一気になくなり、人格まで変わってしまう気分になるのは男性であれば誰しも体験したことがあると思いますし、まさに人間はホルモンに支配されているということをわかりやすく体験できる一瞬でもあります。
ちなみにこのプロラクチンは、産後の女性の性欲を減退させたり、母乳の分泌を促進させたりというどちらかといえば女性ホルモンという位置づけです。
まとめ
という感じで、全体の一部ですが、今回はセックスに関係の深いホルモン物質の一部を簡単に紹介させていただきました。
- テストステロン
- エストロゲン
- オキシトシン
- フェニルエチルアミン(PEA)
- βエンドルフィン
- ドーパミン
- プロラクチン
- コルチゾール
ひとつひとつを丁寧に書くと非常に長く、また読むのが面倒な記事になってしまいますので簡単にまとめさせていただきました。
他にもなにかあれば追加していきたいと思います。
基本的にはこれらは覚える必要はありません。
これらを覚えるくらいであればもっと実践的なセックステクニックを覚えたほうが人生の役に立ちます。
が、セックスに関する書籍などを読んでいると、これらのホルモン物質の名前は必ずと行っていいほど出てきますし、なんだかんだで知っている方が理解が早かったりする場合もあるかも知れません。
そして、やっぱり人間てホルモンに支配されている生き物なのだな、おもしろいなと思っていただければと思います。